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わかる経営管理

在外営業活動体の換算~外国為替取引第15回

 ここまでは日本の企業が外国の企業と外貨建取引する場合の換算の方法を取り上げました。つまり、日常的に円で取引している企業が外国と外貨建で取引する場合です。
 これとは別のシチュエーションとして、在外営業活動体-Forign operationと呼ばれる、在外支店や在外子会社があります。この在外営業活動体は、日常的に外貨で取引をしています。在外営業活動体は現地通貨で帳簿を作成しているので、本店、または親会社の決算に当たり一括して円貨に換算する必要があります。

 在外営業活動体をどのように換算するかについて、本国主義、現地主義という2つの考え方があります。
 本国主義は、在外営業活動体は本国の活動の延長にあるものとして、本国の活動と同一基準で換算する考え方です。本国主義では、テンポラル法という換算方法が採用されます。
 一方、現地主義は、在外営業活動体は本国の活動とは独立したものとして、現地の活動を忠実に表現するように換算する考え方です。現地主義では、決算日レート法という換算方法が採用されます。
 外貨建取引等会計処理基準では、在外支店には本国主義の考え方を適用し本店と同様の換算基準を採用します。在外子会社に対しては現地主義の考え方を適用し決算日レート法を採用することとしています。
 日本の財務報告制度を前提とすると、在外支店の活動は個別財務諸表に含まれるため常に換算が必要となりますが、在外子会社の活動は連結範囲に含まれる場合にのみ換算することになります。

 決算日レート法による換算では、項目の属性に関係なく決算日レートを適用するので、資産負債は親会社と相殺する項目を除きすべて決算日レートで換算されます。また、損益項目は期中平均レートまたは決算日レートで換算されます。一方で、資本項目は親会社の投資と相殺する対象になるため、取得時または発生時の為替レートで換算されます。
 決算日レート法では、資産負債の換算方法と損益の換算方法が整合していないので、営業活動とは関係のない換算差額が発生します。その差額をまとめて記録する項目が為替換算調整勘定-all result exchange differenceです。
 為替換算調整勘定は、純資産の評価・換算差額等に計上されます。

 IFRSでは、在外営業活動体を子会社、関連会社、支店を含んで定義し、すべてに決算日レートを適用します。
 在外営業活動体が子会社か支店か、という区別は法的な観点によるものであり、経済的実態を重視するIFRSからは両者を区別する必然性はありません。特にIFRSで公表される財務諸表は連結財務諸表のみなので、個別財務諸表で在外支店を合算し、連結財務諸表で在外子会社を合算する、という手続き上の区別をする必要がありません。
 したがって、IFRSでは在外支店の換算からも為替換算調整勘定が発生します。

追記
 テンポラル法とは、項目の属性に従って為替レートを適用するものです。すなわち、取得原価で表示されている外貨項目には取得日の為替レートを用いて換算し、決算日の公正価値で表示されている外貨項目には決算日の為替レートを用いて換算します。
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